東京都現代美術館様所蔵「作家関連資料」デジタル撮影

東京都現代美術館の美術図書室では、所蔵する貴重資料の一部をデジタル化し公開しています。
所蔵資料には、作家が残した手稿やスケッチブックなどがあり、これらは作品そのものや作家を理解する上で重要な資料とされています。
このような作品や作家の関連資料・周辺資料の公開において、弊社では高精細・高解像度での撮影・画像作成を継続して担当してきました。

「諏訪兼紀関連資料」は、大正から昭和初期の創作版画興隆期に活躍した版画家・諏訪兼紀の旧蔵資料です。諏訪は将来を嘱望された版画家でしたが、35歳の若さで夭折したため、作品数は多いといえません。本資料に含まれるスケッチブックや水彩画などの自筆資料は、活動期間が短かった諏訪の足跡を辿ることができる数少ない資料であるだけでなく、創作版画の興隆期を研究する上できわめて重要な資料といえます。

諏訪兼紀手稿類」(画像提供:東京都現代美術館)

 

同様に、図書や雑誌などの出版物もまた、作品の制作当時の状況や美術の動向、作家の活動を知ることができる貴重な資料です。
明治時代中期から昭和初期にかけて刊行されたオリジナル版画入りの版画集は、「版画集コレクション」として、保存・一部公開されています。
いわゆる「創作版画運動」の隆盛とともに、版画作家のグループによって連続的に出版された「創作版画誌」のほかに、個人あるいは少人数のグループによる版画集も数多く出版されました。
これらは「創作版画誌」と同様、オリジナル版画作品が頁に貼付されていたり、版画作品自体が綴じられたりしています。また木版画、銅版画、石版画など技法も様々で、その技法ならではの魅力が表現されています。

一つの道 第一版画集」(画像提供:東京都現代美術館)


このような資料の撮影では、均一なライティングや適切なカラーマネジメントを行うことで、手書きの文字や絵のタッチの繊細さを忠実に
再現しています。
弊社では、これからも同館が収蔵する美術作品・資料のデジタルアーカイブの一層の充実・活用をサポートしていきます。

上記で紹介した資料を含む、多岐にわたるコレクションは下記のリンクで公開されています。ぜひご覧ください。
東京都現代美術館美術図書室 貴重資料デジタルアーカイブ